中野坊主バー

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夜のとばりに“南無阿弥陀仏”--「坊主バー」とは?

衆生済度としての〈現代の駆け込み寺〉をめざして

私は、機械化と科学技術万能の時代、即ち〈現代〉という社会に生きる僧侶の端くれです。
かつては市井のサラリーマンに過ぎなかったのですが、個人的な体験として、十数年前にバブル崩壊後の阪神大震災(1995年1月17日)と2度にわたるリストラ退職に見舞われ、前者からは圧死した数人の幼なじみ、後者からは飛び込み自殺した数人の業界仲間を失って、自分がふるさと神戸東灘区のマンションのベランダから見た震災直後の荒涼たる風景から、まさに「諸行無常」を観じて菩提心を起こし、数年後に企業社会を脱サラして、13年前に得度して仏門に入りました。
実家の在家宗派たる「曹洞宗」を選ばず、あえて「浄土真宗」に改宗したのは、被災後に偶然、大阪の「坊主バー」とのイキ絶望の淵から救われた仏縁からです。
その恩返しとして、自らもまたこのユニークな夜の料飲業に関わることで、気軽に若い人々にも仏教に親しみを感じてもらいたかったし、折に触れて、よりよく生きるための仏法の意義を伝えたかったからです。

修行としての料飲業 〈布教〉と〈商売〉の聖俗一如

真宗教義の中には「非僧非俗」(ひそうひぞく)の教えがあって、簡単に言えばこれは、あえて「坊主に成りきらず・商売人にも成りきらず」という中間者的立場をとります。宗祖親鸞は、法難時代に僧侶資格を剥奪され、流刑者となってもなお「非僧」として世俗の世界に深く分け入って仏法を布教していきました。あの不安な厳しい時代を生きた多くの衆生にとって、仏教はすぐれて彼らの活きた〈羅針盤〉となりえたに違いありません。宗教特有の狭量なセクショナリズムに陥らないために、私たちは我田引水を避けて、基本的には可能なかぎり超宗派・超宗教のスタンスをとる方針ですが、こうした試みのあまりの斬新性・冒険性ゆえに、しばしば、自分たちが商売を通じて布教しているのか、はたまた布教を通じて商売をしているのか、あるいはそれぞれが別次元の事柄なのか、本来こんなことをしていいのか、迷うことも多いのです。
しかし、こうした多くの悩みや自己矛盾を抱え、少なからぬお客様からの様々な批判も甘んじて受け取りながら、それでもなおあえて〈世俗〉の日常性に相まみれなければ、混迷した現代に再び「活きた仏教」の〈羅針盤〉を取り戻すことは出来ないと考えています。こういう意味で〈修行〉の一環と心得ます。

地域社会におけるビハーラ運動としての「坊主バー」

もともと〈寺〉は、建物を指すのではなく、サンスクリット語で「ビハーラ」と言って、仏法伝道の拠点たる〈運動〉を指す概念であり、多くの場合、人々のための「癒やしの場」を意味しました。しかしながら、地域生活に深く関わり、人々のニーズに広く応えたはずの昔日の活きた〈寺〉も、今日の都市部ではその躍動感ある役割を失い、もはや地域の葬祭事以外に機能しなくなったきらいがあります。心ある僧侶たちも、これからは積極的に〈寺〉から街中へ出て人々と交流し、この不安な時代と厳しい現実に深く関わる必要があるのではないでしょうか。そのための試みとして私どもは約20年前に出した大阪千日前1号店を皮切りに、14年前には東京荒木町に2号店、そして中野に3号店を出してはや11年になろうとしています。高円寺・尼僧バーもまだ立ち上げて間もありませんが、同様の趣旨でやっています。
かつて「今日のグローバリゼーションとは具体的にはアメリカナイゼーションに過ぎない」と喝破した有識者がおられましたが、私の店のあるこの中野にも相変わらず〈開発の波〉が押し寄せてきています。むしろ真の豊かさとは、行政の区画整理や利益誘導型の大型の箱物施設を創るばかりではなく、地域社会にしっかり根を下ろした、個々の生活者のための、「人間中心の経済・社会へ」の帰還でなければならないと考えます。そして、歓楽街といえども、ここからもし、地域特有の自然・生活環境や宗教の側面に目を背けたり、人間の不合理・不条理性を見据えた「釈迦の智慧」の法燈が消滅するようなことがあれば、仏教で言う「因果応報」の習いで、いずれこの国にも新たな悲劇が姿形を変えて襲ってくるに違いありません。

中野・坊主バー 沿革

「坊主バー」の沿革と当店の歴史 世の中の動き
1991年 1991年 バブル経済崩壊
▼大阪・千日前に坊主バー0号店オープン
1992年
▼2月 Vows Bar 設立宣言 1992.2.10
1994年
▼アメリカ村に移転
1995年 阪神・淡路大震災
2002年日朝首脳会談、鈴木宗男氏バッシング。

 2001年9月11日以降、世界は「テロ」という名の新しい戦争状態へ。
2004年 2004年・自衛隊イラク派遣・イラク日本人人質事件
▼4月8日 (灌仏会)中野45番街に当店プレオープン
▼5月1日 グランドオープン(2階にお座敷開設)
▼グランドオープン記念「煩(ぼん)カレー」販売開始
▼開店記念キャンペーン(店内イベント第1回)「安室奈美恵秘蔵ポスター展」開催(5月から8月まで)
▼和紙アーティスト作品展(中野・坊主バー・ギャラリー第1回となる)
2005年 郵政民営化関連法案
▼1周年記念「煩茶漬け」「煩そーめん」販売開始
▼1周年記念mixi中野・坊主バーコミュ「坊主バー@中野」起ち上げ
▼究極Q太郎プロデュース「ポエトリー・リーディング」約半年にわたり月1回開催
▼秋、「中野45番街再開発」反対運動
2006年
▼「幸祈(ゆき)の月曜コスプレデー」開始(2010年4月まで)
▼坊主バー「土曜映画鑑賞会」スタート 民主党代表に小沢一郎が就任
▼店内イベント「お経入門講座」スタート ライブドア事件
・第1回「唯摩経」講師 宮崎和顔(真宗大谷派僧侶) 「高齢者の医療の確保に関する法律」(後期高齢者医療制度)強行採決
▼ネットラジオ「浄土ストリーム」実験放送開始
▼12月9日・開店3周年プレイベント 草の根・宗教サミット「こんなんで ええんかい?!」於 東中野テラハウス
2007年 「消えた年金」問題
▼4月1日 開店3周年記念ライター限定300本頒布 能登半島沖、中越沖で震度6強
▼11月1日、中野45番街再開発により、現在のワールド会館2Fに移転
2008年 民主党政権
▼4月 坊主バー野外ツアー開始(第1回は北軽井沢) リーマン・ショック
▼店内イベント「お経入門講座」 アキバ連続殺人事件
・第2回「理趣経」講師 山本成尊(高野山真言宗僧侶)
2009年 アラブの春
▼4月1日 プレオープン5周年記念「中野・坊主バー・ショップカード」を制作頒布
▼5月1日 グランドオープン5周年記念-
日本酒「極楽浄土」頒布
▼坊主バー寄席「お経漫談」 漫談師・南野やじ
2010年 小惑星探査機はやぶさ、地球に帰還
▼1月 佐藤さおり弾き語り
▼立川三四楼「アニソン寄席」開催
▼4月 開業6周年記念「散華コースター」制作発売
▼店内イベント「お経入門講座」
第3回「般若心経」講師 沙門祐也(新義真言宗僧侶)
2011年 3月11日 東日本大震災・福島原発事故
▼4月 震災チャリティコンサート「音海浄土/楽力本願」大法要開催 於 LIVE&PUB MOON STEP
▼5月 開業7周年記念「中野・坊主バーTシャツ」制作発売
2012年 金正日死去
▼1月 開業8周年記念プロジェクト「寺子屋坊主バー」の一環としてブックカフェ「飲み屋で読み会<災後>に読む和辻哲郎」第1回開催。以降月1回のペースで定期開催
▼5月 開業8周年記念オフィシャル・サイト開設
2014年
▼12月8日 高円寺に尼僧バー、プレオープン(2階)

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